登山ガイドや山岳ガイドはどう選ぶ?
山のガイドの選び方と資格
年々増える山のガイド資格保持者。安全で楽しい登山のためにはどのような視点でガイドを選ぶと良いのでしょうか?ガイドには資格の区分があります。その資格に応じて案内していい範囲が決まっています。また、ガイドにより料金の表記方法が違います、どの表記が正しく、どの表記が間違っているのかもガイドを見分ける基準にしていいと思います。
日本山岳ガイド協会の資格区分
日本山岳ガイド協会の登山資格は現在4カテゴリーに分かれています。
さらにカテゴリー内でステージが分かれています。
自然ガイド(ステージⅠ・Ⅱ)
登山ガイド(ステージⅠ・Ⅱ・Ⅲ)
山岳ガイド(ステージⅠ・Ⅱ)
国際ガイド
予想がつくと思いますが、自然⇒登山⇒山岳⇒国際の順で難易度が高くなります。
また、ステージⅠ→Ⅱ→Ⅲの順で難易度が高くなります。
自然ガイドは山頂へ行く登山は不可。
登山ガイドⅠは雪山不可。
登山ガイドⅡは森林限界以上の雪山不可
ご注意下さい。

山岳ガイドと登山ガイドの違い
細かいポイントは日本山岳ガイド協会のHPを見ていただいた方がいいと思いますが、登山ガイドはザイルを使って登るような難易度の高い山の案内はできません。夏山などで一般道を案内する場合はどの資格でも同じですが、北鎌尾根などの案内は登山ガイドはしてはいけません。
上級資格を持っているのはいいガイドさん??
難しい質問ですが、お客さんにとっていいガイドというのは様々です。難しい所へ連れて行ってくれるガイド、ゆっくり歩いてくれるガイド、花が詳しいガイド、親切なガイドなどなど。そのへんは資格と結びついている訳ではありません。私の知っているガイドでも優れた登攀能力やガイド能力があるのに、上級資格を目指さない人も多くいます。通常の夏山を歩くには登山ガイドステージⅠ以上であればOKです。
個人的には難しい山やコースを登る場合は一カ所に精通したガイドさん。全国の山を登りたい場合は、日本中をマルチに案内できるガイドさんの方がいいかなぁと思います。同じガイドさんと何回も歩いたほうがお互いのペースや好みがわかるので、満足度が上がると思います。
いろんなガイドさんを見てきて
ガイドには山の知識や技術はもちろんですが、接客業のサービス精神が必要です。自然の知識が必要です。そのあたりをきちんと理解して、お客さんに接しているガイドさんは人気があります。そういうガイドさんはマメだし、自分に投資をするのできちんとしたホームページやブログを持ち、新しい装備を身に着けていることが多いです。
身につけているウェアや装備でも、そのガイドさんの山に対する姿勢が多少わかります。装備に詳しいということは、常に勉強している、いいガイドさんであると思います。
いいガイドさんはプライベートでも登っています
本当に山が好きで、技術や経験を磨こうとするガイドは、休みの日にも積極的に出かけています。普段お客さんを連れて行かないような難しいコースなどを歩いたり、大きな荷物を背負ってみたり、早く歩いてみたり、トレーニングは欠かせません。
正しいガイド料金
ガイドがお客さんから頂いていいのは、ガイド料金のみです。旅行会社じゃないので、総額表示のガイドツアーは違法です!
正しいガイド料金表示とは
ガイド代・参加費●●●円
ガイド代金の他に諸経費(宿泊代・食事代)がかかります。
集合場所は山の最寄り駅。交通費は各自負担となります。等。
これをきちんと表示しているガイドさんは信頼できます。
参加代金/参加費/旅行代金●●●円とガイド代、交通費、宿泊費などをまとめて旅行会社のように総額表示をすると旅行業法違反となります。お客さんには参加の時点で必要な代金が確定しているので分かりやすいのですが、この表記をするには旅行会社の登録が必要になります。
登山口まではガイドさんのクルマに乗ることもあるかと思われますが、最寄り駅からアクセスの悪い登山口までが目安です。もしくはガイドの移動に便乗するか。それ以上は白タク行為とみなされることあります。お客さんを乗せて料金を得るには緑ナンバーが必要となります。
正しい表記のガイドさんのサイトより

ガイドさんを選ぶなら、資格の内容をきちんと明示し、真面目に正しい料金表示をしている方にしていただければと思います。