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超軽量化 ライト&ファスト登山

ファストパッキング&スピードハイクについて考える

私はこれまでライト&ファスト登山をガイドとして案内したことはありません。自分で何度か実践をしたことはありますので、気がついたことについてまとめてみたいと思います。

ライト&ファスト登山とファストパッキング&スピードハイクは同じ意味です。

ジャンダルム縦走
BLOG  山の上でジャンプ

ガイドとして、日本の山はもちろんのこと、世界中の山域をお客さんと歩いてきました。はっきりといえるのは、ヨーロッパをはじめとする先進国と、ネパールなどの途上国との間ではガイドの考え方に歴然とした差があるということです。

 

ヨーロッパのなどではファスト=セーフティという考え方が根本にあり、歩行スピードの遅いお客さんは躊躇なく下山が言い渡されます。

私も実際にお客さんの歩行スピードが遅いがために、もう連れていけないと言われ、その後の手配に苦労した苦い経験が有ります。

 

しかし、現地ガイドの言うことは絶対です。私がガイドしていて、同じ指示を出した時の事を思えば当然。ヨーロッパでは速い=安全という意識が定着しています。また、それは正しい。

 

一方で、速く歩けない登山者もいます。お客さんの中で、〇〇さんはゆっくり歩いてくれるから「いいガイド」という意識があるのも間違いない。また途上国のガイドはお客さんのスピードに合わせるとう概念があります。

ゆっくり歩くことは悪いことではありません。しかし、場合によっては、本来はその山に登ってはいけない実力の登山者まで登ってしまうというのが問題です。そういう登山者が、ガイドにとっていいお客様だったりするのが、難しいところ。しかし、予想外の事が起こると、対応できなくなる可能性があります。

私も安全管理とお客さんの満足度の間で揺れ動く気持ちがあることは否定できません。要は時間管理と先の予想がきちんとできるか否かの問題でしょうが。

ただ、私は17年間もガイドをしてきて、一度も事故を起こしたこと、レスキューを要請したことがないのは誇れます。

間違いなくいえるのは、速く歩ける人は、安全の度合いが高いということ。基礎的な体力があるということ。​速く歩けない登山者は、かなりの余裕を持ったプランを考える、ガイドを雇う、完璧な装備を準備する(重たくなりますが)必要があります。

結果として、速く歩けない登山者はライト&ファスト登山のファストを外した登山は勧められない。装備を削った登山をしてはいけないということになります。

一般の登山者において、体力が不足している、速く歩けない、という理由で装備を削るのは非常に危険です。やめて下さい!荷物を減らして自分の実力以上の山に行くのではなく、実力範囲の中で、軽量化により歩行時間、体力の消耗、バランスの悪さを軽減させるものと考えます。

登山に​対する考え方

大キレット

ライト&ファストの代表がトレイルランニングではないでしょうか?但し、行き着く山頂は同じでも、トレイルランニングと登山は別のもとして考える必要があります。

トレイルランナーは「速い」。しかし、これまで見てきたランナーから判断すれば、アルプスなどを走るには、装備は削りすぎです。登山の知識がなく、地図も読めなく、山の怖さを知らずに3000mまでやってくるのが驚きなのですが。

 

有名なレースでも上位にゴールしたランナーが必要な装備を持ってなかっとして何人も失格になる事例がありました。彼らにとって、スピードが優先で、安全管理とはその程度なのかもしれません。ロードからのランナーは自然の本当の怖さを知らない??のかもしれません。

ただ、天候が良ければ、山のマナーさえ守ってもらえば問題ないでしょう。

浮石などの多いコースには来てもらいたくないですがね・・・。規制はできません。

この記事を書くにあたり、トレイルランニングの雑誌なども読んでみましたが、まだしっかりした記事を書くランナー、判断できる編集者が少ないようです。客観的に捉えていない日記みたいな記事が多い。ヤバイところへ行ったけど、結果オーライ。とか、エスケープなんて最初から考えてはいないとか。。。安全管理場では論外。だこれからの分野でしょうね。「山と渓谷」だったら、絶対に掲載されないでしょう。逆に捉えると、文才のあるトレイルランナーはチャンスかも!

何度かトレイルランニングのレースに出たことがありますので、ランナーの気持ちも、若干はわかるつもりです。

登山やハイキングではトレイルランニングほどの速さは必要ありません。あんなことしてたら、山の景色や自然なんてほとんど楽しめません! せっかく景色のいい所に行くのだから、登山ではそれを楽しみたい。トレランはトレランで充実感もあり、楽しいです!否定するのもではありません。ただ、登山の自然を感じ、四季を感じながら歩くこととは全くの別物でしょう。

ライト&ファスト

​登山かトレイルランニングか?

登山の装備

トレイルランニング

荷物が軽いと登山は楽しい! 間違いありません。

最近は軽量化された登山用品の進歩がめざましく、どんどん軽量化された新製品が登場します。

軽量化登山のメリット

・荷物が軽く疲労が少ないので、速く長時間歩ける。

・岩場などでバランスが取りやすい。

私も2016年は2度、ライト&ファスト登山をやってみました。

日帰りで新穂高温泉〜西穂高岳〜ジャンダルム〜奥穂高岳〜新穂高温泉、

新穂高温泉〜大喰岳〜大キレット〜北穂高岳〜新穂高温泉

従来のスタイルでは歩こうという発想が湧いてこないルートです。

こういう楽しみ方が、登山に加わったのはいいことだと思います。

​※上記の歩きは、かなりの体力・技術・経験がないと不可ですよ!

軽量化登山のデメリット

・万一の時の対応が難しい。

重装備登山のメリット

・万一の時の対応力が高い。

重装備登山のデメリット

・荷物が重いので体力の消耗が激しい。

・岩場などでのバランスが悪くなる。

当然の事ですね。要はそのバランスだと思います。

 

ライト&ファスト登山記

西穂高岳縦走

大キレット縦走

メリット・デメリット

​日本最古のロングトレイル、大峯奥駈道は吉野から熊野本宮大社へと続く、100kmほどの長く厳しい山道。

連れて行ってもらう登山者から、連れていける登山者へ。地図読みの基本と磁北線の引き方、コンパスの使い方など

驚くほど効果のあるアミノバイタルについて。アミノバイタルの種類と選び方、登山者の感想などを記載。

キリマンジャロ登山

ガイドが教える、日本の登山の常識が通用しない、キリマンジャロ登山の知識や技術、装備、高山病にならないコツなど。

登山ウェアで最も肌に触れて重要なアンダーウェア。各アンダーウェアの特徴や長所、シーンに合わせた選び方などを記載。

Please reload

ライト&ファスト登山は荷物は軽いものの、歩行時間や距離が長くなりがちです。その分、カロリーや水の消費も多くなります。

長距離を歩く方は、通常の登山分量で持って行けば、全く足りなくなるでしょう。私はライト&ファストで登山をする時には、通常の3倍近い距離を歩きます。食料も3倍とは言いませんが、通常よりもかなり多めに用意した方がいいでしょう。​カロリーが不足すると歩けなくなります。

アミノ酸を摂取するメリット

ライト&ファスト登山に対する考え方ですが、従来の登山用品を削ること無く、いかに軽くするかが大切です。特にレインウェアなどは絶対です。

いかに早く歩くからといっても、基本の装備は省略することができません。

以下は、私が10月に北アルプスを日帰りで縦走した時の装備です。

ザック ミレー/ベノム15L

靴   マムート/マジックGTX /トレラン用でも可

レインウェア ファイントラック/エバーブレス・フォトン 

インシュレーション ミレー/コンパクトダウンジャケット 

ソフトシェル ファイントラック/ニュウモラップ 

アンダーウェア ミレー/ドライナミック 

ベースウエア マックパック/メリノウールロングTシャツ(NZ購入)

パンツ ショッフェル/ザコパネ

ソックス ファイントラック/スキンメッシュソックス

     ファイントラック/メリノウールソックス 

グローブ① マムート/サーモステッチ

グローブ② アクシーズクイン/レイングローブ

ビーニー マムート/ビーニー

ツェルト アライテント/1人用

ヘルメット エーデルリッド/ヘルメット

ヘッドライト ブラックダイヤモンド/ヘッドランプ 

水筒 ペットボトル2本&モンベル 計3L

カメラ オリンパス/TG

ファーストエイドキット

などなど

​これらの装備で登山で不足すると感じたものはありませんでした。

​私は利用していませんが、最近増えているULウルトラライトの登山用品は、軽くていいですが、従来の物と比べると、どうしても強度や耐久性で劣ります。限界での性能も低くなりがちです。それを理解した上で使用する事が求められます。トレラン用の雨具などを登山で利用するのはやめたほうがいいでしょう。特に中高年の登山者は、発熱できる運動を長時間維持できなかったりします。用途に合わせて選びましょう。

ファストパッキング装備
ライト&ファスト装備

行動食について

西穂高岳縦走

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ライト&ファスト登山記

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​おすすめの登山の装備

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