大峯奥駈道縦走

大峯奥駈道とは登山道か

修行の道か?

世界文化遺産の紀伊山地の霊場と参詣道に含まれる大峯奥駈道は、奈良の吉野山と熊野三山を結ぶ、もとは修験道の修行場として開かれた道で。熊野古道の中で最も険しいルート。標高1200m~1900mの急峻な山岳が連なる大峰山脈の尾根を沿うようにして続く、極めて過酷な精神修行の場です。一般的に大峰山(大峯山)といえば山上ヶ岳を指しますが、大峯奥駈道でいう 「大峯」とは、吉野から山上ヶ岳を経てさらに奥の山々、そして最終的には熊野三山に至る大峰山脈を縦走する修行の道全体を指します。大峯奥駈道は、修験道の開祖、役の行者によってひらかれた1300年の伝統をもつ山岳信仰の聖なる道。大峯七十五靡(なびき)と呼ばれる神仏が宿るとされた拝所・行場が遺跡として残り、祠や仏像などは良好な状態で保存・管理されています。女人結界のある山上ヶ岳を通過するので、縦走できるのは男性のみとなります。元々が修験の道であり、登山道として整備されているものの、他の山域とは雰囲気が異なります。

大峯奥駈道の歩行距離と獲得標高

シミール3Dで計算してみると、総距離が約90km、登りの合計が7747m、下りの合計が7919mとなりました。まず間違いなく、実際の距離は100kmを軽く越えていると思います。

登りの合計が7747mってヒマラヤだって登れちゃうくらいの標高差です!

標高は北奥駈道の方が高いですが、実際のアップダウンは南奥駈道の方がきつい印象です。

大峯奥駈道をどんな日程で歩くか?

非常に長い山道なので、時間があるか、

体力がある方でないと一度に歩ききるのは難しいいかもしれません。

 

一般的には6日間と案内されています。

①吉野駅…青根ヶ峰…四寸岩山…大天井岳…山上ヶ岳・宿坊 

②…大普賢岳…行者還岳…弥山…弥山小屋

③…八経ヶ岳…釈迦ヶ岳…仏生ヶ岳…深仙ノ宿

④…太古ノ辻…涅槃岳…倶利伽羅岳…行仙岳…行仙宿

⑤…笠捨山…葛川越…地蔵岳…花折塚…玉置山・宿坊

⑥…大森山…五大尊岳…七越ノ峰…熊野本宮大社

コースタイム ①8:20 ②9:00 ③7:10 ④8:50 ⑤10:25 ⑥9:05

山小屋

山上ヶ岳の宿坊5軒・小笹ノ宿(避難小屋)3名・弥山小屋(営業小屋)

深仙ノ宿4名・行仙宿30名・玉置山神社宿坊 など

2分割して歩く場合は、吉野から太古ノ辻までの北大峯奥駈と太古ノ辻から熊野本宮大社までの南大峯奥駈に分けるのがいいでしょう。

 

私の場合
①自宅(奈良県内)-近鉄-吉野駅…青根ヶ峰…四寸岩山…大天井岳…山上ヶ岳…小笹ノ宿

②…大普賢岳…行者還岳…弥山…八経ヶ岳…釈迦ヶ岳…深仙ノ宿
③…涅槃岳…行仙岳…笠捨山…地蔵岳…玉置山展望台
④…玉置山…大森山…五大尊岳…熊野川…熊野本宮大社=バス=紀伊田辺-JR&近鉄-自宅

但し、それなりの荷物を背負い、コースタイムを切るスピードで12時間以上の行動ができる方に限ると思います。

 

荷物が背負えない登山者の場合

時間がかかりますが、分割してこういう歩き方もあります。

1回目 吉野…青根ヶ峰…四寸岩山…大天井岳…五番関   日帰り

2回目 五番関…山上ヶ岳…大普賢岳…阿弥陀森…和佐又  日帰り

3回目 和佐又…大普賢岳…七曜岳…行者還岳…行者還トンネル西口 日帰り

4回目 ①行者還トンネル西口…弁天の森…弥山

     ②…八経ヶ岳…仏生ヶ岳…釈迦ヶ岳…太古ノ辻…前鬼 1泊2日

5回目 ①前鬼…垢離取場…前鬼 

     ②前鬼…太古ノ辻…石楠花岳…持経の宿 1泊2日

6回目 持経の宿…転法輪岳…行仙岳…白谷トンネル 日帰り

7回目 ①白谷トンネル…行仙宿

     ②行仙宿…笠捨山…地蔵岳…玉置山…玉置山神社 1泊2日

8回目 ①十津川村 前泊

     ②玉置山神社…大森山…五大尊岳…七越峰…熊野川…熊野本宮大社 1泊2日
 

大峯奥駈道を歩くベストシーズン

大峰山の無積雪登山シーズンは4月から11月です。全山縦走する場合は、最も勧めるのが①4月下旬から5月中旬、次は②10月から11月上旬です。夏は暑いです。デイパックで日帰りするならいいでしょうが、大型のザックに装備をや食料を入れて歩くには暑すぎるでしょう。体力の消耗も激しいと思います。水も多く必要になります。最も勧める①の時期は暑さもさほどではなく、残雪もありません。水場も枯れることが少ない。そして、②と比べると日中の行動時間が長い。しかし、①は登山者も多いので、キャパの少ない山小屋は混雑しやすく、早め早めの行動が必要になるでしょう。全てテント泊にすれば問題ありません。

大峯奥駈道縦走の装備と食料

長い距離を歩く場合に重要なのは、荷物の軽量化。疲れ方が全然違います。必要ない物を削るのも技術。

私が5月に3泊4日で縦走した時を例にします。

 

装備

ツェルト・シュラフ・シュラフカバー・シュラフマット・レインウェア・ドライクライムジャケット・長袖シャツ2・Tシャツ1・下着・靴下2・バーナーセット・マグカップ・水筒4リットル分・ストック2・ヘッドランプ・エアリアマップ・ファーストエイド・ロールペーパーなど。テントはツェルトに、サンダルも持参せず。

食料は必要なカロリー計算をざっとして、必要でないものを持っていかないように気をつけます。(非常食は必要)

大峯奥駈道で気をつけたいポイント

①女性は縦走できません 

賛否両論ありますが、女性は山上ヶ岳への入山が認められていないので、五番関から下山し、和佐又などから登り直す事が必要です。

 

②山小屋のサイズに注意 

行者還や行仙宿など大きな小屋もありますが、小笹や深仙などは定員が3~4名で非常に小さいです。連休等は混雑必至なので、早めに到着、又はテント持参。

 

③水の確保に注意 

意外と苦労するのが水の確保。ほぼ稜線を歩くので、水の確保に苦労します。北奥駈はまだいいですが、南奥駈は山を下って水汲みに行く必要があります。調理分を考慮すると、3~4リットルの水筒は必要です。汲める水場で最大限汲んでおきましょう。極端に水量が少ない場合や枯れている可能性もあります。

④テントかツェルトか 

北奥駈は小屋泊でいいと思いますが、問題は南部。笠捨山を越えると、小屋はありません。快適性ならテント、ビバークするならツェルトでしょう。私はツェルトにしました。正式なテン場はありませんが、玉置山神社の駐車場でテントを張る人が多いようです。

⑤熊野川を渡るなら 

クライマックスは熊野川を渡り、大斎原へ到達するポイント。登山靴を脱いで、ザックを背負い、素足で歩くには足が痛すぎます。サンダルを用意しておいたほうがよかったと後悔しました。河原での水垢離は最高です。

 

大峯奥駈道の山小屋と水場

二蔵小屋 

・無人 ・無料 ・定員10名 ・水場15分 ※11月~3月は閉鎖

大峯山宿坊(複数あり)

・有人 ・有料 ・定員150名 ・水場(宿泊者のみ) ※要予約

小笹の宿

・無人 ・無料 ・定員3名 ・水場すぐ ※テント持参が無難

行者還避難小屋

・無人 ・無料 ・定員15名 ・水場5分 

弥山小屋

・有人 ・有料 ・定員200名 ・水場1リットル100円 ※要予約   

楊枝ヶ宿小屋

・無人 ・無料 ・定員10名 ・水場15分

鳥の水場 ・登山道沿い ※水量わずか 夏季は枯れやすい

深仙の宿

・無人 ・無料 ・定員4名 ・水場4分 ※テント持参が無難

持経の宿

・無人 ・1000円 ・定員20名 ・水場15分(汲み置きがあるかも)

平治の宿

・無人 ・1000円 ・定員15名 ・水場20分 (汲み置きがあるかも)

行仙の宿

・無人 ・1000円 ・定員30名 ・水場30分(汲み置きがあるかも)

葛川辻の水場 ・30分

古屋の辻の水場 ・30分

 

玉置神社

・有人 ・有料 ・定員? 水場あり(礼節を尽くすこと)  

※要予約 ※宗教施設で山小屋ではない

その先は小屋も水場も本宮大社まで何もない・・・です

大峯奥駈道 水場

大峯奥駈道を4日間で歩いた日記

私が大峯奥駈道を実際に歩いた時の記録です。ゴールデンウィークを外したこと、単独であったこと、ほぼ好天に恵まれたことなど、通常より歩きやすい状態ではありました。日記調になっていますが、きっと参考になることと思います。

大峯奥駈道の詳細な情報とガイド

以下の情報は私のものではありません。奥駈の南側を整備している新宮山彦くるーぷさんのFBに投稿されている、大峯奥駈のガイドです。

​上の山小屋と水場の情報と同じ仕様です。地図と言っても、情報が順に羅列されているだけなので、地形などは全く読むことができませんので、事前にこの情報を地形図などに落とし込むことが必要となります。図をクリックすると、リンク元へ繋がります。

大峯奥駈道の地図

地図の左上のマークをクリックすれば、大峰奥駈道のポイントが表示されます

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日本山岳ガイド協会認定登山ガイド 沖本浩一

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洞辻茶屋〜無双洞分岐

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